箱男 安部公房

箱男

箱男


きっかけ
前に読んだ砂の女がおもしろくって他の作品も読みたかったのだけど、箱男は本自体が箱に入っていたので少しばかり近づきがたかった。


ネタバレ・あらすじ
ダンボールをかぶって生活していた男の手記。乞食とも浮浪者とも違う箱男。箱の中には生活必需品と落書き用のスペース。箱男は、ダンボールからの覗き窓で世界を見ている。それなのに、誰にも見咎められることはない。存在していても無視したくなるような存在。ただ、もし自分も箱に入ってしまうとその魅力に取り憑かれてしまう。


命の狙われているので、自殺ではないという抗議の手記であったのか。その命を狙ってくる医者と看護婦による箱男の箱を欲しがる理由。家にとじこめている麻薬中毒患者を、問題なく殺すために、箱男の箱が欲しかった。なんのことやらわからん。


感想・レビュー
一体誰が箱男だったのかわからない。あらすじも書きにくい。それくらい読み解くけるくらい読み込むべきだったのかもしれない。しかし、箱男が誰か分からなくても十分におもしろい作品だった。言葉の使い方が良いのかもしれない。今後、安部公房の作品を中古で見かけたら買おうと思った。


ちょっとばかり、京極夏彦の魍魎のハコと女郎婦の理を思い出した。