アッシュベイビー 金原ひとみ

アッシュベイビー

アッシュベイビー


きっかけ
芥川賞を若くしてとったので、その後の作品もどうなったか気になったので読んでみた。蛇にピアスは一応すでに読了済み。


ネタバレ・あらすじ
主人公はキャバ嬢のアヤ。源氏名はレナ。大学の同じゼミのホクトという男とルームシェアをしている。


ホクトの会社の同僚が接待用の店を探し、アヤを紹介される。そこに下見に現れた村野という男にアヤは一目惚れする。それ以来、アヤは村野のことばかり考えている。村野は1度離婚をしていて、今は独身の手のきれいな指の細い男。性格もつかみどころがなくて、言葉をどんどん受け流していく。しかし、否定はあまりしない。


接待以後もアヤは村野のことばかり追っている。そこから誰にも受け入れられなかった過去や、同時に誰も受け入れようとしなかったことを自覚して精神的に錯乱して自分の太腿をナイフで自分で刺す。キャバクラのボーイとセックスをした後に村野から会社に最近来ないホクトを心配した電話が来る。そこで食事に誘い村野とセックスをする。村野のセックスは太腿の傷を執拗に攻める異常なものであった。しかし、アヤは肉を感じられるそちらのほうがよかった。


ホクトは親戚の赤ちゃんを預かっていて、その裸の赤ちゃんに欲情して以来、会社に行かなくなっている。その異常さに気づいたアヤはホクトをいじめるようになる。小さい穴がすきなのかと鶏やウサギを買ってきてセックスをさせたりするが、ホクトもそれでしかイクことができない。そのままホクトは会社をやめて借りられるだけ借金をしてきた。それでルームシェアは続けられる。


アヤはまたホクトを心配してきた村野の食事に誘い、結婚を申し込む。村野もそれをただ受け入れた。次の日に婚姻届が書かれたりする。それでも生活があるのでキャバクラにいくとお局に刺され、そのまま入院してキャバクラはくびになってしまう。その間も村野はお見舞いにも来てくれない。退院してからその病院の医者とセックスして、でも村野さんに会いたくて家に行く。そこでもただ好きですという言葉に埋め尽くされたままただ泣く。


感想・レビュー
蛇にピアス同様にさくさく読める。内容的には、異常性癖とかでてくるでそういう部分に関してはあまり僕は好きではない。あと自分の精神がばらばらになっているような、矛盾を何度もおこして、そこからとめどもない感じは、最近の子によく見られる感じもする。いろんな人がブログや日記で書いてあるけど、ここまでちゃんと言葉にできるのは良いと思う。村野さんの受け流す性格は割りと好き。さらに、アヤが何度も言葉に会話と関係なく好きですといっているのに、あぁとかはぁとかの返事や普通に会話に対してしか返事をせずに好きというのを無視しているのが場面として好き。