【新しい】新しい単位 世界単位認定協会

新しい 新しい単位 (扶桑社サブカルPB)

新しい 新しい単位 (扶桑社サブカルPB)

きっかけ
ブックオフにて400円で購入。またしても100円の本じゃなくて、どうもブログタイトル・企画から離れつつあると最近感じる。
前々から気になっていたのだけど、すでに持っている"新しい単位"が、増刷になり表紙などの色を変更したのかと思っていた。しかし、2冊とも並んでいるところを見て、中身を見るとどうも知らない単位がいくつかあり、載っているとばかり思っていた単位が載っていなかった。続刊があったのだと分かり購入した。
さて、なぜこの本が気になったかというと、かなり昔の話になる。僕が大学生の頃なので、7、8年前のことになる。たまたま見た深夜のテレビ番組"世界の単位"が非常におもしろかったからである。本来はBSフジで放送していた番組とのことで、なぜそれが地上波で放送されたのかは謎のまま。
あまり内容は覚えていないが、き○たまという文字が映し出され、この○に当てはまる文字はなんだというクイズがあった。しかもヒントつきで。そのヒントは、非常に大事なものという。当然、あれを想像するのだけど、正解はきもったま。○だからといって一文字とは限らないということか。
そして、2問目。おなじく、き○たま。ヒントは、棒の先に玉があり、毛がふさふさしているという。今度こそ、アレかと思うわけだが、正解は、きりんのあたま。やられた。
そんなつかみを置いておいて、世界の単位の1冊目(オレンジの方)の内容はナレーションと下手うまい、味のある絵で紹介されていく。くだらない内容だが、そういうものこそおもしろかった。
その1週間後くらいに、当時の僕にしても珍しく、新刊として購入したのだった。


ネタバレ・あらすじ
「速さや大きさに単位があるように、緊急事態やあっけなさにも単位が欲しい」という哲学のもと、世界単位認定協会という謎の組織が、物ごとをはかる単位を決めていく。その単位認定の経緯、例としてある物事にはどのくらいの数値が記録されるのか、その物事に対する対症法や解説が淡々と大真面目に書かれている。そして、一応主人公の井上道夫の行動が描かれている挿絵が絶妙。
14個の単位と、それぞれ12の物事の数値例が書いてある。これだけでは、おもしろさとくだらなさがまったく伝わらないので、2つほど例を書いておく。
緊急事態を表す単位、Ott(オットット)。ビールが溢れ、思わず「おっとっと」と口にする緊急事態を、1Ottとする。手品ショーでステージにあげられそうになる緊急事態は、238Ott。我が子に「赤ちゃんはどうやったら生まれるの?」と聞かれる緊急事態は、4550ott。パラシュートが開かない緊急事態は、100000ottなど。
あっけなさを表す単位、i:(イー)。ショッカーが「イー!」と登場するもののすぐにやられるあっけなさを、1i:とする。年季の入ったおばあちゃんのお店で万引きするあっけなさは、200i:。我慢してたウンチをだすときのあっけなさは、790i:。犯人だと分かる役者のでているサスペンスドラマのあっけなさは。2030i:など。


感想・レビュー
1冊目ほどの衝撃はなかった。そして、もちろんテレビ番組で見たときほどの衝撃はもっとなかった。しかし、くだらくておもしろい。400円はちょっと高かったか。個人的には、ありきたりさの単位と例が1番好き。


そういうくだらない内容はおいておいて、すべての物事に単位が欲しいという哲学はすごいと思う。特にweb業界などでもちゃんと決められていないものをちゃんと標準化していこうとしている姿勢と似ていると感じてしまった。そして、なかなか統一されず使ってもらえない部分なども、掲載されているものの実際には使われていない単位と同じだと感じる。